サッカー・日常日記・FFXI
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我那覇問題は終わらない その2 ドクターの思い ![]() 参考雑誌:「サッカー批評 39号」 発行元:「株式会社双葉社」 著者:ミカミカンタ氏 参考資料:http://sportsassist.main.jp/documents7/7-3.supporterreport2008.6.3.pdf 我那覇問題は終わらない その1 議事録改竄で、処分自体に問題があったことはご理解頂けたと思います。しかし、それも今になって明らかになった部分もあり、もしも問題がここまでもつれていなければ事実はそのまま闇に葬り去られていたかもしれず、我那覇の『冤罪』も今尚続いていたかもしれません。 しかし、事件のもうひとりの主役である元川崎フロンターレチーム・チーフドクターの後藤秀隆氏が立ち上がったことで、事件は長期化し、先日のCAS裁定にて我那覇の潔白が証明されました。 ここでは、後藤ドクターの戦いを通じて見えてくる事件の経緯を整理したいと思います。 後藤氏は、そもそも我那覇へ注射を行った当事者ですが、07年4月24日、サンスポの記事で我那覇の注射が報じられる前後の、後藤氏の経緯は以下を辿っています。 ●後藤ドクターが我那覇に注射したのは 『生理食塩水』100ml と 『生理食塩水にビタミンB1のみを加えたもの』100ml の計200mlで、この処置内容についてはサッカーヘルスメイト(診療録)に残していた ●ちなみに、紙面等で目にする『にんにく注射』に厳密な定義はないが、一般的には様々な『ビタミンB群とグリコーゲンを含むもの』とされており、後藤ドクターの処置はにんにく注射にはあたらない ●07/4/24の記事を受け、詳細な調査なきまま、青木Jリーグドーピングコントロール委員会委員長と川渕三郎JFA会長がマスコミを通じて処分の可能性を示唆するコメントを発表 ●川崎フロンターレへJリーグ事務局から電話があり、5/1の事情聴取と5/8のアンチ・ドーピング特別委員会について説明が与えられる。5/8の委員会では弁明の機会が与えられるが、5/1、5/8の委員会もメンバーがほとんど同じなため弁明に意味はない旨が伝えられている ●5/1に行われた事情聴取に後藤ドクターも参加。この際上記のサッカーヘルスメイトは調べられなかった ●翌2日、川崎フロンターレは書面で弁明の機会を行使しないことが伝えられた。 ●5/8の処分決定まで、弁明の機会があったこと・制裁の種類・内容は我那覇に伝えられていない。 ●5/8に処分決定 ●処分を不服とした後藤ドクターを始めとするJリーグ全チームのドクターが立ち上がり、JFA、Jリーグチェアマン、Jリーグ事務局、FIFA、UEFAなどありとあらゆる機関に文書をもって問い合わせ・確認・お願い・質問・説明・要望などの書類を提出。 ●しかし日本サッカー界は、これを黙殺、または言下に却下、時には関係クラブや個人に圧力や懐柔とも取れる言辞を投げかける幹部も出てきた(本誌より抜粋) ●5月(詳細な日付不明)の契約者会議の大勢いる席で、庄子春男(川崎フロンターレ強化部長)が小竹伸幸(Jリーグ理事)から『(後藤ドクターを)さっさとクビにしろ』と怒鳴られている(本誌より抜粋) ●日本アンチドーピング機構(JADA)や文部科学省は、ドクター側の主張を支持。ドーピングには当たらない旨を発表し、8/30にはWADAからも同様の見解が出ていたことが発覚 ●11月、後藤ドクターが川崎フロンターレのドクターを辞職し、同時にJSAAへの仲裁申し立てをする旨を発表。その際記者会見に臨んだドクターの代理人は記者会見で『申し立てをするならチームを辞めろと圧力をかけられ、人間らしいあつかいを受けていなかった』と話している。 ●川崎フロンターレは、公式ホームページでクラブとしては仲裁を申し立てない旨を発表。 ●Jリーグは後藤ドクターを処分の当事者とは認めず、裁定を拒否 ●Jリーグへ文部科学省から「早期解決するように」との指導がなされる。この結果、Jリーグは我那覇本人の申し立てならば仲裁に応じる旨を発表 ●チームドクターを辞職してまで申し立てをした後藤ドクターに後押しされ、我那覇自身が仲裁申し立てを行うことを決意 ●しかし、JリーグはJSAAでの仲裁を拒否し、CASでの裁定のみ受ける旨を通達 ●この間、我那覇は ・「サッカーに集中してピッチで結果を出すのが選手の姿勢じゃないだろうか」 ・「仲裁費用と弁護士費用を一人でまかなえるだろうか」 ・「サポーターがピッチ外で争うことを支援してくれるだろうか」 と悩んでいた。※参考資料 pdfより抜粋 ●12/6、弁護団がJリーグへ申し立てる旨の記者会見前、Jリーグへあいさつへ行ったところ、『この時のJリーグの対応は、「あり得ないことが起こってしまった」(よもや、我那覇選手がJリーグを相手に立ち上がることはないという意)という、非常な緊張感に包まれたものでした』(参考資料pdfより抜粋) このように、初めからJリーグに対して及び腰だった川崎フロンターレや、釈然としない思いを抱えつつも申し立てに踏み切れなかった我那覇選手だけでは、そもそもCASでの裁定に持ち込むことすら出来なかったのがお分かり頂けるかと思います。Jリーグに所属している選手やチームは Jリーグ規約第165条[最終的拘束力] チェアマンの下す決定はJリーグにおいて最終のものであり、当事者及びJリーグに所属するすべての団体および個人はこれに拘束され、チェアマンの決定を不服として裁判所その他の第三者に訴えることはできない。 この規約に縛られ、その上稚拙な恫喝や(あくまで想像ですが)硬軟織り交ぜ事態の沈静化を図ろうとするJリーグに立ち向かうことができませんでした。 しかし、後藤ドクターを初めとするJリーグのチームドクターは、あくまで本職は医師であり、Jリーグ傘下はもちろん日本サッカー界から離れても困る類の人々ではありません。もちろん、彼らとて自分たちのチームに迷惑がかかることや、スポーツドクターとしての道が今後危うくなる可能性はありますが、そういったリスクを背負ってでもJリーグに立ち向かったのです。 本誌では、川崎フロンターレ・ドーピング事件を検証して日本に正しいアンチ・ドーピングが実現することを願う会 代表:寛田司ドクターのコメントが掲載されており、要約すれば 『選手を守るべきドクターが選手の健康を維持できなくなる』『これは、Jリーグのみならず日本のスポーツ界すべての選手に関わる命の問題だ』 といった使命感からドクターたちは立ち上がったのでした。 参考資料pdfにも 『本来なら点滴を行うべき選手に経過をみたため、「結局肺炎になってしまった」という事例や「脱水のため内耳障害を起こした」事例がでてきています』 といった報告がなされています。 かくして、CAS裁定が出され、ドクターたちの行動・信念が正しかったことは証明されました。しかし、Jリーグはその後、後藤ドクターへの賠償はもちろん謝罪すら行っておりません。あくまで部外者という立場を崩さず、いまだ自らの非を全面的に認めていないのです。 我那覇問題は終わらない その3 へ続きます。 |
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